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暖気団停滞による雨不足が深刻化

 地元メディアによると、サンパウロ州、リオ州、ミナス・ジェライス州の184都市に水を供給しているパライバ・ド・スル川からカンタレイラ複合貯水システムへの引水を可能とする契約が先月締結されましたが、国家水資源局は1日、雨期の到来にもかかわらず降水量が少ないことから水源の水位低下を防ぐ目的でリオ州バラ・ド・ピライー市の貯水池からの放水量を31日まで制限することを決定しました。
 国立気象観測所のマルセロ・シュネイデル気象予報士によると、今年10月はサンパウロ市で1986年以来最も少ない降水量を記録し、サンパウロ州北東部に限れば今年は過去51年間で最も降水量が少なかったとしています。雨期が到来したにもかかわらず大サンパウロ都市圏に水を供給する6カ所の主要な水源周辺での降雨量が少ないことから、10〜11月の累積貯水量が2003年以来の最低値を記録しています。この地域における2カ月間の降水量は、例年平均のわずか55%でした。
 シュネイデル気象予報士は、カラカラ天気の原因はサンパウロ州ミナス・ジェライス州の州境の上空にとどまっている乾燥した暖気団のためで、この暖気団がアマゾン地方の湿った空気と南から来る寒冷前線の通過を阻んでいるためと説明しています。民間の気象予報会社「クリマテンポ」のビアンカ・ロボ気象予報士は「乾燥した暖気団が州境上空にとどまることは普通のことだが、今回は特に規模が大きい」と指摘しています。