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液体燃料ロケット打上げテスト成功

 地元メディアによると、マラニョン州のアルカンタラ衛星発射センターで1日、ブラジルで初の液体燃料を使用したロケット打上げテストに成功しました。打上げの主な目的はブラジルで開発されたL5モーターのテストで、ロケットは大気圏を超えることなく当初の計画通り3分34秒間の飛行後海に落下しました。
 ロケットは全長10.84メートル、重量1.8トン。打上げ直後は固定燃料で打上げられ、離陸から124秒後に液体燃料に切り替えられました。液体燃料を利用した飛行時間は90秒間で、ロケットに取り付けられた測定器によって動作の成功が確認されています。L5モーターには推進剤としてエタノール燃料と液体酸素が利用されます。液体燃料は固定燃料に比べて衛星打上げの際の軌道投入精度が増し、重量も軽く大きな推進力を得られるメリットがあります。
 計画のコーディネーターであるブラジル航空宇宙研究所(IAE)のアバンデリノ・サンタナジュニオール大佐によると、将来的に個体燃料を利用したロケットの推進装置は液体燃料に置き換えられていくとしています。ブラジルは中国やインドと比べて液体燃料分野で遅れをとっています。既に世界で打上げられている衛星打上げロケットの大部分は液体燃料使用で、今回のテスト成功はブラジルの液体燃料利用に弾みをつけそうです。