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W杯を目前に国内各地で抗議活動相次ぐ

 地元メディアによると、サッカー・ワールドカップ(W杯)に出場するブラジル代表チームの22人がフェリペ・スコラリ監督(通称フェリポン)と共にリオ入りした26日、同市では12日からストに入った公立校の教職員による抗議活動が激化し、ブラジル政府がW杯に投じた巨額の公費を改めて非難しました。27日にはサンパウロ市で交通整理員らによるストやバイア州サルバドール市でバス会社のストが行われ、国内各地で交通が混乱しました。

リオ

 リオ入りしたブラジル代表メンバーがデモに見舞われ、ホテルの建物前で「教育はストップした」などと書かれた横断幕を掲げたリオ州とリオ市の公立校の教師によるデモ隊150人に乗車したバスが囲まれました。後方で10台の大型車で軍警察が見守っていたこともあり、10分後に選手団はホテルから練習場へ向かいました。

サルバドール

 サルバドール市では27日朝、90%のバスが運行を中止しました。通学や通勤にバスを利用している約150万人の足に影響が出ましたが、主要バスターミナルなどでの大きな騒ぎにはなりませんでした。バイア州道路労働者組合の役員は「ストではない」と述べており、サルバドール市のバス会社が前日に提示した労働条件の改善をまだ認めていない少数派がバスの発車を車庫で阻止したものでした。

サンパウロ

 サンパウロ市でも27日、給与調整を要求している交通工学公社交通整備員らが献血を理由に一斉欠勤しました。献血を理由とした欠勤はその月の給料の減額につながらないためです。同市の交通渋滞は午前9時には平常に戻りました。
 午後になって高額な給料で財政難に陥っているサンパウロ州立の3総合大学(サンパウロ総合大学、カンピーナス総合大学、サンパウロ州立総合大学)の教授らが、州議会議員が進めている給与凍結を阻止するため、サンパウロ立法議会前で抗議デモを行いました。