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掲載への報復? 編集長に銃弾44発

 地元メディアによると、リオ市で発行されている地元紙オーラ・アガー(Hora H)紙のジョゼ・デ・レモス編集長が11日、44発の銃弾を浴び射殺されました。同日午後8時ごろコルンバー区フスコン大通り沿いにあるパダリア(パン屋)でビールを飲んでいたところを襲われたものです。市民警察では、掲載された記事に対する報復殺人とみて捜査を進めています。
 オーラ・アガー紙は、殺人現場の被害者の写真をトップ記事として大々的に掲載することで知られる大衆紙。最近は、リオ市の警察や犯罪組織による汚職疑惑も掲載していました。第58地区警察署のマルコス・アルベス署長は、「好戦的な内容の新聞を発行していたことが殺害理由だと考えられる」と述べています。編集長の兄弟は、同紙が日ごろから警察、犯罪組織、政治家などの闇の部分を暴いて掲載していたため、編集長に対する脅迫も頻繁に起こっていたと話しています。
 目撃者によると、犯人は覆面を被った4人組で、店舗正面の路上に停車した車内から発砲し、そのまま自動車で逃走しました。警察は現在、店舗内に設置された防犯カメラの映像を分析して犯人逮捕に向けた捜査を進めています。
 レモス編集長は、殺害現場に駐車していた防弾仕様のピックアップ車を日常的に使用していました。2005年にも車内にいたところを襲われて発砲される事件がありましたが、防弾ガラスのお陰で一命を取り留めています。編集長は護身用に380口径の拳銃を常時携帯していましたが、応戦する暇もなく射殺されたようです。