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ジルマ政権の支持率低下

 地元での報道によると、ダッタ・フォーリャ社が行った世論調査でジルマ大統領(労働者党=PT)政権の支持率が2011年の就任以来、初めて低下したことが分かりました。調査では、ジルマ政権を「最高」または「良い」と評価した回答者は57%で、65%を記録した今年3月の世論調査に比べると8ポイントの低下です。この世論調査はブラジル国内で6〜7日に3758人を対象に行われました。

主な要因は経済状況への懸念

 ジルマ大統領の支持率の低下は、ブラジル経済に対する悲観的なムードを反映したものと見られています。回答者の多くが懸念材料としてインフレ率と失業率の上昇と指摘しています。回答者のうち51%が、「インフレ率が上がるだろう」と答え、3月時点の45%からの上昇を指摘しています。その他、失業率、購買力、経済状況に関する質問にも悪化を指摘する人が増加しており、ブラジル経済の先行きに対する不安の現れと思われます。
 先月、ブラジル国内で大騒動となった、生活扶助制度「ボルサ・ファミリア」の廃止に関する流言(デマ)とマット・グロッソ・ド・スル州での先住民との衝突がジルマ大統領に対する否定的なイメージを増幅させたと指摘する声もあります。
 ただ、今回の調査でジルマ政権の支持率が低下したとはいえ、ジルマ大統領が就任した直後の11年3月当時と比べると支持率は10ポイントも上回っており、ブラジル国民の評価はまだ高いと言えそうです。
 ジルマ政権閣僚のアロイジオ・メルカダンテ文部相は「これはよくある人気の揺れだ」と語り、ジルマ大統領の再選には影響を与えないとしています。経済状況に関しても同相は、「さまざまな指標は改善の方向にある」と語っています。