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少年が無抵抗の大学生を射殺

 地元での報道によると、サンパウロベレン区で9日、カスペル・リベロ大学メディア学科に通うビトル・デップマンさん(19)が自宅マンションの玄関で強盗犯に襲われ、携帯電話を奪われた後で射殺されるという事件が起きました。翌10日に、容疑者の17歳少年が警察に自首して逮捕されました。
 防犯カメラの映像を見ると、犯人が携帯電話を渡すようビトルさんに要求、ビトルさんは一切抵抗せず、命令に従っています。それにもかかわらず犯人は、至近距離から頭部に発砲していました。ビトルさんは現場に駆け付けたいとこのエドアルド・ペレイラさん(20)の応急手当てによって一度は息を吹き返しましたが、搬送先の病院で死亡しました。
 ビトルさんの叔父のデメルバル・リエロさん(44)は「犯人は携帯電話を盗むだけのために、平気で人を殺した」と怒りをあらわにしています。
 ビトルさんの高校時代の国語教師だったジャケリーネ・モンテイロ教諭(46)は、「強盗事件に遭遇したら絶対に抵抗しないよう指導しているが、何も抵抗しなかったビトルが頭を撃たれたのは、とても理不尽なブラジル社会を反映している」と語っています。