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WBCブラジル代表が開幕戦で日本と激突

 ブラジル野球代表「サムライ軍団カナリア」は昨年11月にパナマで行われた予選を勝ち抜き、第3回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)本戦への出場権を得ました。3月2日の開幕戦(福岡ドーム)で日本代表「侍ジャパン」と対戦します。「サムライ軍団カナリア」28人の中には日系ブラジル人12人が選抜されています。チームの特徴は、日本と同じく機動力を生かしたスモール・ベースボール。強豪日本や古豪キューバを相手に2次ラウンドへの進出ができるか、注目されます。
 ブラジルの野球は日本移民によって育まれました。今でも、ブラジルの野球少年たちは試合開始前に「お願いします」と日本語で言ってグラウンドに入ります。日本精神は野球にも受け継がれています。「サムライ軍団カナリア」に選ばれた12人の日系人は、105年前の祖先とは逆に日本へ渡航し、祖国で大きな花を咲かせようと練習を続けています。
 「サムライ軍団カナリア」は予選では全4チーム(ブラジル、パナマ、コロンビア、ニカラグア)の中で最弱と評されていましたが、3戦全勝で予選ラウンドを突破しました。「サムライ軍団カナリア」の日系ブラジル人12人は、ブラジルの名誉を背負って「侍ジャパン」と開幕戦を戦います。
 「サムライ軍団カナリア」に招集されたのはアメリカや日本でプレーしている選手が中心。予選ではベストメンバーが揃い、予選突破の原動力になりました。ラファエル・フェルナンデス、金伏ウーゴ、松元ユウイチ3人のブラジル代表選手を送り出している東京ヤクルトスワローズも、積極的に協力しています。
 ブラジル代表の戦力を分析すると、投手はスピードで押していくタイプが多く、いわゆる技巧派はいません。日本のプロ野球で頭角を現してきたフェルナンドも、カットボール、スライダー、カーブなど球種は多いものの制球力に難があり、まだまだ1軍に定着出来ません。大黒柱となるのは、予選のパナマ戦でも先発したアンドレ・リエンゾ(ホワイトソックス2A)。3月2日の日本戦でも先発するとみられています。このほか仲尾次オスカル(白鴎大)も期待が高く、予選ラウンド2戦目では先発のマウンドに上がりました。野手では昨年、ブラジル人初のメジャーリーガーとして活躍したヤン・ゴメス(インディアンス)が注目選手。予選で4番を打った佐藤(DH、ヤマハ)もチーム力向上に貢献しています。
 1次リーグの福岡ラウンドは日本、キューバ、中国、ブラジルの4カ国で争われ、2次リーグ(東京ラウンド)には1位、2位のチームが進めます。決勝ラウンドの準決勝以降はアメリカのサンフランシスコで行われます。