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マンション敷地内 が重金属汚染

 地元メディアによると、サンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポ市にある高級マンション2棟の敷地地下で、重金属による土壌汚染と水質汚染が確認されました。同マンションの土地は以前、プラスチック製造業の米国大手モンサント社が工場として使用していました。工場跡地に20階建ての高級マンション5棟が建てられ、1室当たりの物件価格は100万レアル(約4000万円)を超えています。
 環境浄化技術公社によると、着工時の2008年に既に汚染が確認され、建設を請け負っていたガフィザ建設会社に改善を求めました。求めに応じ同社は、汚染された土壌を掘削作業の段階で除去したとして、同社が10年と11年に提出した報告書の中で「住居利用のための安全性が確保されている」と記載、環境浄化技術公社から承諾を得ていました。ただ、この除染作業が十分でないまま、環境浄化技術公社が承諾を与えた可能性も指摘されています。
 重金属汚染が確認された地下水は同マンションの水道に用いられていないため、住民への健康被害は発生していないようですが、マンションの不動産登記に汚染情報を記載するという環境浄化技術公社の告知に対し、住民は物件の価格低下につながると反発しています。