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7500万円の請求に東電5万円の回答

 日本食材を中心にブラジルへ輸出している貿易会社の荷物が、放射能に汚染されているのではないかとの疑いでサントス港で4か月にわたって足止めを食っています。各社は「このままでは倒産してしまう」と悲痛な声を上げています。4日現在、5月下旬から荷物が動き始め陸揚げが始まったとの情報もあるものの、1月からの足止めで少ないところでも300万円、多いところでは7500万円もの被害が出ています。
 損失の内訳は、長期にわたる足止めで賞味期限切れの商品の廃棄処分による損失、日本国内での放射能検査費用、ブラジルにおけるコンテナ借用延長、注文期日に納品できなかった違約金、ブラジルでの新たな放射能検査費用など合計で7500万円の被害額と算出した会社もあります。7500万円と算出した業者は東京電力原発事故が原因として東電に賠償金の請求を行ったところ、東電からの返事は総額5万円の見舞金程度だったといいます。その業者は金額に納得できるわけがなく、これからは弁護士を立て、訴訟も辞さない構えです。
 別の業者は「精査していないので確かなところは分からない」としながらも、200万円から300万円の被害額になっていると答えました。この業者は原発事故が原因と分かっていながら、「訴訟となると面倒なのでこのまま泣き寝入り」と語っています。