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ブラックマーケットは150億レアル規模

 地元での報道によると、サンパウロ州工業連盟が2016年のサンパウロ州における盗品や偽造品、密輸品などを売り捌く違法な製品市場(ブラックマーケット)規模が151億レアルに達したとの推計を発表しました。前年の推計132億レアルと比べ14%増です。

 同連盟によれば、ブラジル国内で違法に販売された密輸品の大半がサンパウロ州内に運び込まれ捌かれています。ブラックマーケットでは食品、飲料、煙草、電気製品、衣料品など様々な商品が扱われています。

 同連盟は、「ブラックマーケットが無ければ、州内で9万件の雇用が創出されただろう」と指摘しています。ブラックマーケットの電気製品の売り上げで、正規の業者が被った被害額は12億レアルに上り、4億レアルの税収が失われました。この税額は学校校舎167棟の建設費に相当します。衣料品・アクセサリーの違法販売で喪われた税額は82の病院運営費用に相当します。違法煙草販売では5万6000人分の雇用が喪われ、病院・学校などの建設費1000棟分の税額を損失したとされています。

 法務・公共保安省は製品の密輸や取引、販売を撲滅するため取り締まりを強化しており、今年は飲料9万3000リットル、タイヤ1万2000個、自動車燃料9836リットル、電気製品9万8000個、IT関連製品1万7000個、煙草908万7000カートンを押収、1885人を密輸や海賊版製品販売容疑で逮捕しています。