中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

正月用日本食材の姿見えず

 サンパウロ新聞のコラム氏が、サンパウロ市東洋人街の師走の風物詩のひとつが消えた、と嘆いています。師走になると東洋人街の日本食材店の店頭には正月用品が所狭しと並べられていました。ブラジルに住んではいても、日本人はナタール(クリスマス)より正月がなじみがあり、店先にしめ飾りや鏡餅、切り餅などを見て心が浮き立ったいいます。それが今年は未だに正月用品が店頭に並んでいないとか。
 店員の話では「年末には入荷するのではないか」というから、店頭に並ぶのは新年になってからのようだ。福島原発事故による放射能汚染の影響で、食品の厳しい検査が行われ、荷物がサントス港に到着してから陸揚げまで1か月以上かかっており、10月入荷の商品がようやく店頭に並び始めているそうです。 
 最近、日本食材の中で最も人気者は日本酒。お歳暮に日本酒を使う人が増えているそうです。輸入業者に「まだ入らないのか」と催促の電話が鳴り続けているとか。コラム氏も、アルコール類の頂き物はウイスキーから日本酒に変わってきたと書いています。日本酒を日本酒好きのブラジル人にプレゼントすると、「こんなに美味しいものをいつも飲んでいるのか」と羨ましがられるそうです。
 日本食ブームは世界的なものだが、特にブラジルでのブームは本格的で、このところ日本食レストランが矢継ぎ早に開店しています。ところが食材が原発事故でなかなか入らないため、店でも一般家庭でも困っているのが現状のようです。