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大相撲八百長問題で「春場所中止は厳しすぎる」

 日本相撲協会は6日、八百長問題で3月13日から大阪府立体育会館で予定していた春場所の中止を正式に決定しましたが、NHK国際放送での相撲観戦を楽しみにしている日系社会のファンの間では「八百長はいけないことだが、ちょっと、厳しすぎるのでは」と不満の声が上がっています。
 元十両「若東」の黒田吉信さん(35歳、2世)は、今回の日本相撲協会の決定について「残念としか言いようがない。せっかく魁聖が(ブラジル人力士初の)新入幕を果たせると思っていたのに」と言葉少なでした。元幕下力士「東旺」の森田泰人さん(32歳、2世)も「自分でもびっくりしている。今回のようなケースでの中止は初めてで、本当に残念な結果になった」と驚きを隠せない様子。
 長年にわたってサンパウロ市の東洋街で、店頭に幕内力士の星取表を掲示している明石屋宝石店の尾西貞夫社長は、「店に来る人によっては、『(春場所中止という)そんなに厳しい処置をする必要があるのか』という声もある。機械でなく、人間がやっていることなので、もう少し大目に見てもらいたいね」と、海外在住邦人相撲ファンとしての意見を述べています。
 リオ州ノーバ・イグアスー管内のチングアに在住するリオ州日伯文化体育連盟元会長の原林平さん(77歳、長崎県出身)は、早朝から起きだしてテレビ中継を欠かさず見るほどの相撲好き。「今の日本人は相撲を目の敵(かたき)にしている。本場所が中止になれば興行が成り立たない。昔から力士の星の貸し借りなどはあったと思う。本来なら相撲を育てる必要があるのに、このままでは国技である相撲がつぶれてしまう」と大相撲危うしと言っています。
 ブラジル相撲協会の篭原功会長(70歳、3世)は、「(春場所中止の話は)6日に1世の親戚から聞いた。本当に驚いているが、我々の立場では何とも言えない。ブラジル相撲協会の定期総会で、幕内に上がるだろう魁聖の化粧まわしをどうしようかと相談していたところだったのに」と、がっかりしていました。