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池上彰氏が「日本の針路」講演

 サンパウロで開かれた「第11回南米日系農協活性化セミナー」で、日本で人気のあるジャーナリスト、池上彰氏(60)が講演しました。講演のテーマは「来るべき食糧危機に備える―日本の針路」。NHKのニュース解説番組『週刊こどもニュース』などを担当したことのある池上氏は、日本の政治や世界の食糧事情などを分かりやすく、ユーモアを交えて解説しました。
 日本の政治について池上氏は、2009年に日本国民は政権交代に期待したが、「昨年は失望に襲われた1年だった」と説明。現在の菅内閣の人気の低迷ぶりを表すエピソードとして、民放TVで平均15%前後の視聴率を誇る報道番組に菅首相が出演したところ、視聴率が6%まで落ち込んだ事例を紹介しました。そして民主党政権低迷の原因を、「『政治主導』にとらわれ過ぎ、本来役人に任せるべき仕事を全部自分たちで決めて行動したことにあり、そのことが解るのに1年半かかった」と分析しました。
 池上氏は、菅政権は小沢一郎氏の政治とカネの問題で低迷を続けており、「(小沢氏は)間もなく強制起訴(31日に起訴された)される。従来議員が起訴された場合、離党することになっているが、小沢さんは『自分は無実で離党する気持ちがない』と言ったことから、党のイメージがさらに悪くなった」と、ある程度の独断を交えて説明していました。
  日本では、菅政権の不人気は民主党に期待されたマニフェスト自民党政権と同じ政策に戻し、国民の期待を裏切る増税路線を突っ走る姿勢にあるとの説も強くあり、池上説だけでは説明できないところもあります。(この部分は筆者)
 写真はサンパウロ新聞提供