中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

ペルー・ブラジル人学校ムンド・デ・アレグリア校がペルー政府から正式認可

 静岡県浜松市にあるペルー・ブラジル人学校ムンド・デ・アレグリア校(松本雅美校長)が11月、ペルー政府から国外のペルー人学校として直接認可を受けたことが分かりました。ペルー国会で同月、国外のペルー人学校の教育課程を直接認可できる新しい法律が制定されたため実現したもので、同校が世界で初めて同法での適用校となりました。
 同法律が制定される以前は、同校だけを卒業してもペルー教育省からの卒業資格がもらえず、生徒には日本の大学にもペルーの大学にも行く資格がありませんでした。そのため同校では、生徒を同校と日本の学校の両方に通わせ、日本の学校の卒業資格を取得させるか、ペルーの通信制教育を行っている企業から証明書を購入し、ペルーの卒業資格を取得させるという間接認可と呼ばれる方法で、生徒の進学の可能性を作り出していました。
 サンパウロ新聞の取材に松本校長は「7年半、直接認可獲得のためにひたすら努力してきたことが実った。山あり谷あり、だまされ、ぬか喜びさせられ、結局誠実で責任のある大使に出会えたことが一番の幸福だったと思う」と答えました。
 同校の卒業生で、日本の高校と同校の両方に通い、今は静岡県内の大学で経済学を学んでいるフロリアン・瀬戸・カルロス・清さん(21、日系ペルー人3世)は、「後輩たちは、日本でもペルーでも大学に行きたいという気持ちを持っている生徒が少ない」と今の生徒の現状を嘆きつつも、「直接認可を得ただけで大学に行きたい生徒が増えるかどうかは分からないが、大学に行きたいと考える生徒が増えてほしい」と、自身に続く後輩が出てくることを望んでいました。