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ひばりコンサート中止か? 最終決定は日本側と協議

 日本でも週刊誌が取り上げ、話題になっていた「美空ひばりフィルムコンサート ブラジル公演」が中止される可能性が強くなりました。20万レアル(約1000万円)の費用捻出が困難なためと見られます。元々このコンサートには、文化福祉団体であるブラジル日本文化協会(木多喜八郎会長)が主催することに反対意見も強く、文協執行部が力業で公演を決めたいきさつもあり、最初から公演は危ぶまれていました。
 「美空ひばりフィルムコンサート」は昨年12月の文協評議員会で強行的に決定され、今年8月に開催が予定されていましたが、今年3月に入って公演資金が思うように集まらず、中止される可能性が高くなってきました。10日の文協常任理事会で、資金調達の予算目標達成が難しいとして、当初案通りの実施を打ち切ることを決めたためで、今後の取り組みについては日本の美空ひばりプロダクションとの協議の上で決めるとしています。
 昨年12月に行われた第137回文協評議員会で、10年度予算案総額313万6121レアルのうち、「美空ひばりフィルム・コンサート」だけで42万レアルの収入案、30万レアルの支出案、12万レアルの利益案が発表され、出席した評議員から「文協が興行まがいの行為を行うべきでない」と反対の声が上がり、再検討が求められたにも関わらず、評議員長の判断で票決がとられた結果、あっさりと公演が承認さていましれ。
 費用の詳細については、同コンサート関係者のブラジル訪問とブラジル国内を回る経費であると説明され、費用捻出は各スポンサーに寄付を依頼するとしていました。利益については、国内で開く4回分のコンサート実施の際の入場料でまかなう考えでした。
 しかし、今年に入って行われた記者会見で、フィルム・コンサート実行委員会(頃末アンドレ実行委員長)は、昨年12月の評議員会で強行採決されたことが邦字新聞に掲載され、そのニュースが日本の美空ひばりプロ関係者に送付されたことから、日本側からクレームが入ったため、予算を見直さざるを得なくなったと説明、当初予算の30万レアルを20万レアルに下方修正するとしていました。
 同コンサートについては、以前から文協理事会などで資金が集まる可能性が薄ければ取り止めにするとの意見も出されていました。今回、予定通りの資金が集まらなかったため、10日の常任理事会でこれまでの大がかりな公演は打ち切ることに決定したものです。今後、予算がかからない小規模なものに変更して実施するかどうかは、日本側との交渉待ちになり、この企画自体が中止される可能性も強くなりました。