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オリンピック開催を日系社会も歓迎

 南米大陸で初めてのオリンピックを開催するブラジルでは、喜びに沸いています。決定した2日のブラジルは官公庁や会社が休みになるほどに気合いが入り、さめた感じの日本とは全く違った騒ぎになっていました。もちろん、160万人を擁するブラジル日系社会重鎮も、これで日本からの観光客も増えると喜びを隠しません。以下は、サンパウロ新聞が報じる日系人の喜びの声です。
 リオ州日伯文化体育連盟の鹿田明義理事長はオリンピックのリオ開催決定について「今日(10月2日)はまだ金曜日なのに仕事にならないよ。これから色んな面で大変だが、街もきれいになるだろうし、治安面でも良くなると思う。一般市民にとっては本当に良かった。オリンピックが開催されるとなると、(日本からの観光客受入れなど)日本語ができる人が必要になると思われるし、リオの日系社会としてできることがあれば、応援していきたい」と述べた。
 リオ州チングアに在住している同文体連元理事長の原林平氏は、「まさか、リオに決まるとは思ってもいなかった。五輪の輪は五大陸を意味しており、今までは政治的な偏ったオリンピックの感じが強かった。南米がようやく選ばれたことで、本当の意味の五輪ができることに感激している。ブラジルに50年以上住み、自分の第二の故郷であるリオが選ばれ、2016年に向けて張り合いができた」と喜びを表していた。
 東京都友会の坂和三郎会長は、候補地の東京が落選したことについて、「リオ以外の三つの候補地は(今回選ばれていれば)2回目の開催となるし、東京が選ばれなかったことは仕方がなかった」とし、「私もブラジルに住んでいる以上、リオが選ばれたことは嬉しい。オリンピック開催で税金が上がってもらっては困るが、治安面改善などこれを機会に盛り上がってほしい」と期待を寄せていた。
 ブラジル柔道界発展に尽力してきた全ブラジル講道館柔道有段者会名誉会長の岡野修平氏は、リオ開催が決定したことに「それは、すごい」と感激した上で、「オリンピックはブラジル柔道の力を示す最大の機会。ブラジルの豊かな国民性の中で、『一本』を取る柔道を世界に示してもらいたい」と期待感を込めていた。
 これからブラジルは、ワールドカップ(サッカー)、オリンピックを開く国として、経済面だけでなく注目を集めていくことになりそうです。