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サンパウロ市警が囮捜査で犯罪グループ一網打尽

 サンパウロ市内のセー広場はひったくりや強盗などの危険地帯として、観光客には近寄らないように注意が与えられるところです。そのセー広場に巣くう悪党を一網打尽にする大捕物が6日、武装したサンパウロ市警察官70人によって行われました。この一斉摘発で90人が身柄を拘束され、多数の証拠品が押収されました。
 セー広場での被害件数は、今年だけで900件以上に上り、麻薬汚染に伴う同所の治安悪化が問題視されていました。こうした窃盗以外にも、偽造身分証明や各種資格証明、診断書の売買が日常的に行なわれ、危険地帯との烙印を押されていました。
 一斉検挙を前にサンパウロ市警は、セー広場付近にあるテナントビルの一室を借り、1カ月半に渡って麻薬密売や窃盗の現場を撮影するなどの事前捜査を行っていました。この捜査が実り、90人の悪党を逮捕したほか、クラックや大麻などの麻薬をはじめとし、おもちゃの拳銃や盗品と見られる高級時計、最新式のノートブックなど多数の証拠品をを押収できました。
 一斉検挙の当日、警官らは清掃員や配達員に変装し、犯人グループの隠れ家を急襲、成果を上げました。悪党たちの上には、彼らを牛耳る犯罪組織があり、その指令で小物の悪党たちが歩行者を襲い、盗品を売りさばいていました。得た収入は麻薬購入などに充てていたと見られています。