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9歳少女中絶で関係者らを教会が破門

 ペルナンブコ州で妊娠が発覚した9歳の少女に中絶処置を施した関係者を、「教会法に背いた」たとしてジョゼー・カルドーゾ・ソブリーニョ大司教レシフェ・オリンダ教区)が破門したことに、非難が集中しています。
 少女は、同居の継父(22)に暴行されて双子を妊娠。2月末、少女が腹痛を訴たため母親が病院に連れて行ったところ妊娠していることが分かりました。診察したときは、既に妊娠15週目に入っており、身体が未発達な低年齢での妊娠は子宮破裂などの危険もあることから、母親や担当医師らの判断で中絶手術が実施されました。
 カトリック教の教えでは、中絶は自動的に破門されることになっており、教会法に則って大司教は、母親ら関係者を破門処分にしました。この破門について大司教は、「強姦は大罪だが、中絶はそれに勝る大罪」と、破門理由を語っています。この教会の処置に女性保護団体の代表が、「一人の少女の命が宗教的思想より劣るとは言語道断」と大司教を激しく非難、手術を行なったアマウリー・デ・メデイロス総合保険センターも、「性的暴力から女性を守るのは当然。破門処分を受けたが、全く後悔していない」とのコメントを出しています。
 大司教への非難の声は、ますます広がりを見せているそうです。