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アマゾン流域が乾燥地帯に?

 英国科学者の調査グループが、地球温暖化がこのまま進めば、熱帯雨林気候にあるアマゾン河流域の気候が大きく変動し、多少の雨量はあるものの、全体が乾燥地に変わってくるという調査結果を発表しました。発表によると、アマゾン地域は地球規模で天候の変動に大きな影響力を持ち、最近のアマゾン河流域西部地方で拡大する森林伐採焼畑が、南米全体に気候変動をもたらしているというのです。今世紀中にアマゾン西部の年間雨量が低下、乾燥状態が続くようになり、逆に、現在、乾燥地といわれる亜熱帯地方のセラード(灌木地域)に大雨を降らせ、森林再生の可能性が出てくるといいます。
 国連の世界気象研究班が世界雨量の推移記録を分析した2007年の調査発表でも、地球温暖化がこのまま進めば熱帯雨林地方の土壌水分が異常蒸発し、現在の乾燥地域のような状態になるとしています。この新しい研究は、前世紀の記録をもとに熱帯雨林気候地域の森林と世界の雨量とを比較分析し、19の気候型に分けて気候変化をシミュレーションしたものだそうです。
 本来、アマゾン流域の年間雨量は平均2400ミリ。ところが、これが徐々に減ってきているため、湿度を保てなくなり、乾燥地に変わると推論しています。年間雨量減少の原因は土壌の湿度を保つ森林が伐採されたり、焼畑が増えているためで、熱帯雨林地帯の自然林伐採を止めなければ世界の気候変動は今以上に厳しいものとなると警告しています。