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43年ぶりに黄熱病で死者

 ブラジル南部のリオ・グランデ・ド・スール州で43年ぶりに黄熱病による死者が確認されました。同州政府衛生局は、黄熱病と疑われる他の2患者についても判定を急ぐとともに、黄熱病感染注意区域を87市から99市に広げました。
 黄熱病は森林地帯に多いハエマゴグス蚊を媒体として伝染します。感染すると、発熱、黄疸、出血、嘔吐などに襲われ、死亡率はかなり高いといわれます。罹患しやすいのは農村地帯で、観光で危険地域の森林を訪れる人たちは感染する危険が高く、野生猿が大量死している地域は特に危険な地域です。
 黄熱病で死亡したのはサント・アンジェロ市に住む31歳の主婦。原因不明の発熱が続き、衛生局が診断して黄熱病と分かりました。衛生局が診断したときは、すでに手遅れの状態だったそうです。主婦は、森林の多い地方都市を訪ねていました。現在、黄熱病の疑いで治療中の2人も、ピラポ市の森林地帯で仕事をしていました。
 黄熱病の予防対策は予防接種しかないため、同州衛生局では危険地帯に限らず予防接種を実施、同地域への訪問者は予防接種を受けてから行くように呼びかけています。