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風雲急を告げるイグアスーの滝周辺

 観光の名所で、アラブ系人の多いイグアスーの滝周辺(フォス・ド・イグアスー市)が、テロ組織「アルカーイダ」の中継基地になっており、テロ分子らがそこからメキシコ経由で米国へ潜入しているとして、テロ取締りのため米政府が特別任務部隊を編成する法案を米下院議会が可決しました。また、この法案には、米州機構(OAS)諸国にヒズボラハマスがテロ組織であることを承認させることも含まれています。なにやら観光名所は、きな臭さを増しそうですが、これについて同市は戸惑い気味です。

 フォース・ド・イグアスーのギシ市長(労働民主党=PDT)は、「ヒズボラに資金を送っているというのは詭弁。米のロサンゼルスやニューヨークのアラブ人はもっと多額の資金をレバノンに送っている」と反論しています。同市にはわずか1万2000人(ブラジルに住むアラブ人の0.13%)しか住んでいなく、「とても南米最大のアラブ系人集団地とはいえない」とも述べています。

 また、同市のアラブ系団体、イスラム慈善文化センターのモウサ会長はも「国境地帯はいま経済危機に直面しており、海外に送金するどころではない」と話しており、米国は観光地のイグアスーにはテロリストが潜みやすいという観測で、予防措置として決議したのかもしれません。それにしても、観光客が飯の種のイグアスーにとっては、観光客が来なくなる可能性もあり、迷惑な話でしょう。