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見直されるアルコール燃料

 原油の高騰が続き、改めてアルコール燃料が見直され始め、各国からブラジルへ、アルコール視察団が押しかけています。
 アルコール燃料のいいところは、無公害であることと土地があればいくらでも製造できることです。原油は掘り尽くしてしまえば終わりですが、アルコールはサトウキビ、都市ゴミなどいろいろなものから作り出せます。
 ブラジルを例に取れば、20年前までは1ヘクタールに植え付けたサトウキビから2000リットルのアルコールしか製造できませんでした。今では6000リットルのアルコールを製造でき、製造技術も向上しています。このため、ガソリン1リットルが39セントの国際価格に対し、アルコール1リットルの製造価格は26セントに過ぎません。
 アルコールにも弱点はあります。オクタン価が低いために燃費が悪いことと、燃焼すると水分を呼び込み、エンジンが腐食しやすいことです。ブラジルではこの弱点をカバーするため、フレックスカー(エンジンに送る燃料を、必要に応じてアルコールとガソリンを使い分ける)が主流になっています。発進の時はガソリンで、走り始めたらアルコールで、というように使い分けるのです。
 ブラジルでは70%がこのフレックスカーになっています。この車には、中国、インドなども大きな関心を示し、視察団が絶え間ないといいます。
 車社会の日本は、車の燃料問題をどう解決しようとしているのか、まだ見えてきません。鰻登りのガソリン価格を見ていると、何らかの対応策が必要なことは目に見えているのですが。