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銃器類や弾薬の販売禁止に国民は「ノン」

  世間で白熱した論議を巻き起こした銃器類販売禁止の是非を問う国民投票で、販売禁止に反対が64%と予想外の多数で決着しました。予想では禁止に賛成者が多いとされていただけに、ルーラ政権はこの結果に落胆しています。賛成票は36%にとどまりました。
 この結果について野党は、政府の治安対策の欠如に対する不信感が噴出した証だと指摘し、自分の身は自分で守らなければならない、ということを国民が選択した結果としています。識者も、反対派の圧勝は自己防衛の意思の表われであり、いかに国民が当局の治安対策に信頼を寄せていないかが分かる、と指摘しています。
 この国民投票は、世界でも類を見ないもので、世界中のメディアにより報道されました。NHKの海外向ワールド・プレミアムでも報道し、CNNはブラジルの銃器による死亡は年間3万9千人に達し、人口が1億人多いアメリカの3万人より死亡率が高いとの注釈もつけて報道したほどです。
 今後政府は、汚名返上のためにも確固たる治安対策と、密輸による銃器販売取締りの強化を強いられるとの見方が大勢で、これがうまくいかないと次期大統領選でのルーラ氏の勝利は絶望的との見方もされています。