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デカセギの家族が拷問を受け死亡

 9月11日、サンパウロ市東部に住む年金生活者ヨネクラ・サダシさん宅で、火災の消火に駆けつけた消防署員や警察官によって、一家7人が頭などを銃撃され、血まみれ姿で発見されました。倒れていた5人が死亡し、同じく血まみれで発見された乳児は無傷で助かりました。
 ヨネクラさんは戦後移住者。犯人は2人組の男と見られ、前日にヨネクラさんの子ども2人が出稼ぎ先の日本から一時帰国していたことから、出稼ぎの現金目当ての犯行と見られています。同宅に侵入した犯人は現金の在処を聞き出すためか、約12時間にわたって一家に暴行を加え続けた形跡があり、答えなかった腹いせに5000ドルだけを奪い、家屋に火をつけて逃走したものです。
 ヨネクラさん一家惨殺事件を大きく報じたサンパウロの有力各紙によると、襲われたたのは、サダシさん、フタバさん夫妻の他、居合わせた子どものファッチマ・サユリさん(31)、ニウトン・タカシさん(26)、ウィリアム・ジュンさん(29)、妻のエリカ・アケミ・ミヤモトさん(37)。
 一命を取り留めたのは、タカシさんとエリカさんの膝の上に抱かれ、血まみれで救出された11カ月の男児の2人のみでした。
 当局は犯人2人の似顔絵を公開。タカシさん、ジュンさん兄弟が事件のあった10日朝に帰国している点を重視し、空港から尾行されていたか、ヨネクラさん一家に日本で働いている人がいるという身内の事情を知る者が事件の背後で関わっている可能性があるとみて、捜査を進めています。