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企業化している麻薬業者

 先日は、ブラジルの麻薬業者が子供たちをリクルート、悪の道に引き込んでいる実情を伝えましたが、皮肉なことに、この麻薬産業が大都市の失業緩和に役立っていることがわかり、教育関係者や知識人たちの頭を痛めています。
 サンパウロで伝えられるところによりますと、麻薬業者たちは就業時間、給与体系、職種、労働規定などを決めた会社組織を作り上げ、麻薬の運び人、売人などを社員として採用しているのです。採用の場合は、面接はもちろん、履歴書の提出を求めるところもあるそうです。
 給与は週給で800から1200レアル程度と、他の職種と比べかなりな高額。このため失業者や若者たちに人気が高く、就職希望者は後を絶たないようです。
 この麻薬産業は、大都市周辺の失業問題を緩和、さらにスラム街の少年たちに職を与えるることで犯罪に走るのを防いでいる、といった皮肉な現象になっています。最も、この麻薬会社は、麻薬の売り上げや敵対組織の人間の暗殺数で評価、昇進を決めるといわれ、就職即罪人ということになるのですが。