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モラレス前大統領の詐欺容疑に疑義

 28日付ブラジル・メディアによると、27日のThe Washington Post紙上に「マサチューセッツ工科大学の研究者二人の分析の結果、10月のボリビア大統領選でエボ・モラレス前大統領が当選したのは詐欺によるもので無効とされた件で、詐欺を疑う理由は見つからなかった」との記事が掲載されました。

 研究者は「私たちが発見した詐欺の統計的証拠は無かった。初期開票の傾向、中断後にモラレス氏が優位になった米州機構の理由説明など不透明で、要するに統計分析と米州機構の結論には重大な欠陥がある」と述べています。

 これに対し詐欺の可能性を指摘した米州機構は28日、二人の研究者の話に異議を申し立てています。「開票が始まった最初はモラレス氏には不利な状況で、集計が進むにつれ彼の敗色は濃厚になった。ところが開票が84%まで進んだとき、開票が突如中断され、再開されると今度は最初から彼の得票数が多くなっていた」と不正の可能性に言及しました。

 さらに米州機構は、研究者は米州機構監査報告書の主要な結論を無視していると述べ、投票記録シートの変更および投票箱の責任者の署名の偽造、集計の過程で最高選挙裁判所が管理していないサーバーて対応の2点からも、「選挙の意図的な操作があったことを明確に証明している」と強調しています。

 論争の結論は出ていませんが、果たしてモラレス氏の不名誉な烙印が消えることになるのかどうか。