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日系団体が各民族の平和共存の象徴「国際民族舞踊祭」を開催

 世界各国からの移民で成り立っているブラジルらしい行事である第46回国際民族舞踊祭(ブラジル日本文化福祉協会主催、松尾治実行委員長)が先ごろ、サンパウロ市東洋街の文協大講堂で行われました。今年は「民族同士の調和の夢」をテーマに38団体が参加、27カ国・地域の伝統的な踊りや音楽が披露されました。会場にはルーツの様々な文化・風俗・習慣を持つ人々が2800人参集し、多種多様な伝統文化の交流を行いました。

 舞踊祭はポルトガル系グループ「Arouca São Paulo」の伝統舞踊で幕が開き、ドイツ、イタリア、ギリシャ、ロシア、リトアニアハンガリーと次々に各国の踊りが披露されました。アジア地区からも日本、台湾、韓国のグループが踊りを披露し、南米のチリ、ボリビアウルグアイにルーツに持つ人々も、それぞれの伝統文化に裏打ちされた踊りを紹介しました。日系人の演し物は龍(じゃ)踊り、徳島阿波踊り琉球舞踊でした。

 会場では各国の工芸品や食品なども販売されました。工芸品を見ていたロシア系2世のディマス・ヴィガリンさん(38)は「ブラジルは開かれた国で、多くの共同体が互いに知識や伝統を交換しながら統合している。日系社会はその好例でしょう。そうした統合そのものが、サンパウロの伝統とも言えると思う」と、同祭に対する感想を述べていました。

 同祭の実行委員長を務めた松尾さんは「人種同士の融和、友情を深め、ブラジルでは各人種が一緒に平和に暮らしている。この舞踊祭は、各民族が一緒に平和に暮らしていけることを世界に向けて発信していると思う」と語りました。