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ルーラ元大統領が収賄、資金洗浄で有罪

 国内各メディアによると、パラナ第13連邦裁判所は12日、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ元大統領(71)に、収賄および資金洗浄の罪で禁固9年6月の有罪判決を言い渡しました。ルーラ元大統領は、建設企業OASがペトロブラスと契約する際、OAS社に便宜を図った見返りにサンパウロ州グアルジャーのマンションの三層型居室とその改修などの形で不正な利益を得た、として起訴されていました。1988年の現行憲法制定以降、大統領経験者が刑事訴訟で有罪判決を受けるのは初めてです。

 ルーラ氏は2009年以降に居室提供の形で370万レアル、11年~16年にかけて大統領在任中の贈答品の保管費用支払いの形で約130万レアルの利益を受けた、として連邦検察庁に起訴され、連邦裁判所が起訴を受理、それ以降公判が続いていました。

 検察側は、この汚職で06年から12年間に約8760万レアルの資金が動いたと主張し、弁護側は、提供されたとされる居室以外の居室を夫人(故人)が購入したが、夫人はその後購入を諦め、ルーラ氏自身は所有者でないと主張していました。裁判所は両者の主張考慮した上で同不動産がルーラ氏に提供されたたものだったと認め、約225万レアル相当の賄賂を受け取ったと判断しました。

 大統領在職中の贈答品の保管費用を通じた汚職および資金洗浄については、十分な物的証拠がないとして無罪としています。また判決では、ルーラ氏は勾留されない状態で控訴できるとしています。ルーラ氏のほかに同訴訟で被告となっていた6人のうち2人に有罪判決が下され、4人は無罪になりました。