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リオ五輪で不足する日語話せる補助員

 3カ月後にリオ五輪を控え旅行会社や日本のマスコミが、日本語とブラジル語の分かる人材捜しに躍起になっています。リオは日本人、日系人が少なく、日本・ブラジル両国語に精通した人材が少なく、そうした人材はすでに予約済みというのが大半です。ブラジルでの人材調達を諦め、日本から呼び寄せるという動きも出始めました。
 リオ日系協会の松浦実会長は、「毎日のように人材を紹介して欲しいと電話があるけど、今頃いわれても残っていませんよ」と苦笑いします。今リオでは、五輪期間中日系企業従業員、日本語教師の多くは休暇を取り、大半は旅行会社や日本のマスコミでアルバイトをします。日系の企業は「五輪期間中はオリンピック協力の意味もあり、従業員の休暇は大目に見ています。しかし、本社から重要な客が来ると、それに対応しなければならず、その要員確保に四苦八苦です」とこちらも困ったを連発です。両国語を出来る人はこの期間、給料の何倍ものアルバイト料をせしめることが出来ます。企業としても、休暇を駄目とは言いづらいようです。
 五輪にやってくる旅行者は今のところ6500人くらい、選手団が少なく見積もって600人、それに新聞社、テレビ局などの取材陣が各社20人から100人規模、NHKなどは200人体制で乗り込みます。これに対し正規の観光ガイドの資格を持ち、両国語の分かるガイドはリオ、サンパウロを併せ30人程度しかいません。こうした正規のガイドは1年も前から予約済みで、後は補助員として雇うことになります。今ではこの補助員すら確保できない状態になっているといいます。
 ブラジル在住の日本人は「探そうと思えばいますよ。日系団体とは関係を持たない日系人たちがいますからね。これからは、こうした人をたぐり寄せられる人とどうコネを付けるか、その方向に切り替えることです」と、隠れた人材はまだまだいると話しています。