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日本人向けのサービスをする「ナタル日本人会」発足

 6月19日に日本対ギリシャ戦(W杯)が開催されるリオ・グランデ・ド・ノルテ州ナタル市に昨年12月、同地在住の日系人など10人が中心になり「ナタル日本人会」が結成され、来伯する日本人向けのサービス活動を行う準備に取り組んでいます。同市には日本人や日系人が少なく、日本人旅行者も現地情報に疎いと思われ、「日本人サポーターがたくさんやって来るこの機会に、彼らの不安を少しでも取り除き、ナタルの良さを知ってもらおう!」と結成されまし。
 同市での試合が決定した直後に、それまで活動停止状態にあったニッポブラジルRN(正式名称=Associacao Cultural Nipo-Brasileira do Rio Gran de do Norte、青木ミルトン会長)と、同市に在住する5、6人の日本人グループの間でそれぞれ「日本会館も領事館もない同地を訪れる日本人のために、何かやろうよ」との声が上がり、両方と親交があった中村スミス恵美子さん(42歳)の呼び掛けで在留日本人、日系人、日本語を学んでいる非日系人などが集まり、ニッポブラジルRNの書記長ウルシマ・ワンダさん(3世)を会長としてナタル日本人会が発足しました。
 同会は12月13日から不定期に会合を重ね、ツイッター(アカウント=@Natal_Japan)やブログでナタルの情報発信を行っているほか、既にナタル市の青年・スポーツ・レジャー及びFIFAワールドカップ局(SECOPA)のルイス・エドワルド氏との話し合いによって空港内に日本人用カウンターを設置することも決定しました。同カウンターではタクシーの乗り方やチケットの買い方などを日本語で説明するほか、日系旅行代理店利用客の集合場所として利用できるようにし、日本語が分かるスタッフを常駐させ、日本語での相談、案内を請け負う電話応対サービスの窓口とする案も検討しています。同カウンターの設置期間は試合前後1週間程度です。
 同会のメンバーがスクールバス会社を運営していることから、レシフェナタル間とナタル市内で専用バスを運行することも決めており、「レシフェ各ホテルからナタル各ホテル」や「ナタル空港からナタル各ホテル」などのコースを予定しています。同バスは、公共交通機関を使うには言葉や治安面で不 安のある日本人をサポートするため安全面を重視した乗り合いバスとしており、既に予約も始まっています。
 同市で夫と不動産を経営している中村さんは、ブログ「東北ブラジルNATALへようこそ!!」 (http://blog.livedoor.jp/eminha1971/)を通じて、当地のホテル・別荘・アパートの賃貸情報をはじめ、観光情報とナ タル日本人会の活動を紹介しています。ブログで中村さんは、「ナタルが亜熱帯というのは間違い。湿気がなく風があり、サンパウロ市よりも格段に涼しい」と同市が快適な気候であることをアピール、「空港から試合会場までは車で15分程度だし、市街地なので交通便もすごく良い」と説明しています。
  中村さんはサンパウロ新聞に、「今の時点ではまだ計画段階なので、ほとんどお金を使わずボランティアで活動しているが、空港カウンターに常駐するスタッフ の交通費や、一目見て分かりやすい日本語の看板作り、パンフレットの作成など実行に移していくためには運営資金が不可欠」と話し、レシフェクイアバも合 わせて、日本人サポーターを受け入れる3カ所への資金援助やユニホームなど物資の寄付を行う協力企業、団体を募集しています。また日本語学校の生徒による通訳ガイドのアルバイト依頼を受け付け、生徒らの学習意欲向上に役立てたいと話しています。詳細、問い合わせは中村さん(vacationhomenatal@gmail .com)まで。