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2014年日系社会10大ニュース

 邦字紙サンパウロ新聞が昨年12月、日系社会の10大ニュースを発表しました。以下の通りです。
 第1位=安倍晋三首相夫妻が来伯
 現職首相としては小泉純一郎氏以来10年ぶりとなる、安倍晋三内閣総理大臣夫妻のブラジル訪問が8月に実現しました。首相はメキシコから中南米4カ国を経て、7月31日ブラジリアに到着。首脳会談、ブラジル経済界との意見交換はじめ、日系議員・政府高官、ジーコ氏など日本サッカーに貢献した選手たち、日系団体代表などと懇談しました。
 第2位=安永家100年、各移住地周年行事
 各地の移住地で周年行 事が相次ぎました。4月には、1914年5月10日に「帝国丸」で移住した安永家の100周年記念祭がサンパウロ州プロミッソン市の自宅で開催され、地元をはじめ日本やアマゾン地域など各地に散らばる同家関係者や来賓など約400人が一堂に会しました。同家の長老格で現在も矍鑠(かくしゃく)として日常生活を 送っている安永忠邦さん(93、2世)は、「長年の安永家の思いがかない、一族の気持ちが一つになることができた」と感激した様子だった。
 第3位=修好120周年・ジャパンハウス
 来年の日伯修好通商航海条約締結120周年を官民で祝うため、「日ブラジル外交関係樹立120周年・記念事業ブラジル実行委員会(委員長=梅田邦夫駐伯大 使)」が8月末に発足し、特別事業として「日ブラジル友好花火大会」(9月、サンパウロ市)、「日ブラジル共同プロジェクト巡回展覧会」(2月からブラジル各地で)の開催が決まりました。
 第4位=アマゾン移民入植85周年
 アマゾン日本移民入植85周年を記念した行事が9月、パラー州ベレンとトメアスーでそれぞれ開催。梅田邦夫大使夫妻も出席しました。ベレンでは15〜20日の 第27回日本週間期間中に、北ブラジル県人会協会傘下県人会による食の屋台出店と各種日本文化イベント及び展示も行われました。
 第5位=W杯で伯国各地に支援委員会
 サッカーW杯を前にした1月半ば、W杯でブラジル入りする日本人サポーターを支援する目的で「ブラジルワールドカップ日本人訪問者支援委員会」が 発足。サンパウロ市の主要日系団体が中心となり、ホームページも作成。インターネット上でけが・病気対策や宿泊施設など緊急時に必要な情報及び生活に役立つ情報等 を提供しました。
 第6位=日系3団体(御三家)の活動
 文協、援協、県連の主要日系3団体はそれぞれ、順風満帆とは言い切れないまでも、無事に2014年の一年間を乗り切りました。県連主催の日本祭り(山田康夫実行委員長)も約10 万レアルの黒字を出しました。
 援協は 公益福祉団体認可への対策として、新組織日ブラジル福祉援護協会の立ち上げとスザノ・イペランジャホームの分離、リベルダーデ 診療所の会員割引廃止、高齢者割引開始など新しい動きを始めています。
 文協は大塚プロジェクト(篤志 家・大塚実氏寄贈の1億円で文協ビル内の改修事業等を実施)が、12月に完成しました。
 第7位=裏千家千玄室大宗匠が来伯
 今年、中南米布教60周年を迎えた茶道裏千家は、第15代家元・千玄室大宗匠(91、京都)を迎え、「裏千家淡交会中南米大会」を8月に開催しました。会場の州政庁には和服姿の同門ら約900人が集まり、厳粛な雰囲気の中、記念式典が行われました。
 第8位=小野田寛郎さんが死去
 大東亜戦争終結後もフィリピン・ルバング島で29年間戦闘を続けた小野田寛郎さんが1月16日、東京で亡くなられました。91歳でした。陸軍中野学校二俣分教所で情報将校の訓練を受け、44年に陸軍少尉としてルバング島に赴任。終戦後も残置諜者として仲間と島に残り、74年に元上官の作戦解除命令を受けて帰国しました。翌年、兄・格郎氏がいたブラジルへ移住し、南マット・グロッソ州のバルゼア・アレグレ移住地に土地を購入。夫妻で10年かけて牧場経営を成功させ、移住地日本人会の世話役なども務めていました。
 第9位=移民100周年事業の完結
 2008年の移民100周年以来進められてきた二つの記念事業が完結しました。マリンガ日本公園と「写真で見る沖縄県人移民の100年」の完成です。関係者の地道な努力が実り、地域、次世代への大きな贈り物になりました。
 第10位=「グループ・民」初公演
 担い手の高齢化や減少が進み、次世代への文化継承を願うブラジルの日本民謡界が待望した、平均年齢約25歳の若手民謡家の集まり「グループ・民(みん)」(海藤紀世代表)が今年後半に発足し、初公演となる「第1回フェスティバル・民」を10月11日に開催しました。若手民謡家は「皆で集まって稽古し、舞台で一つになれたことが大切」と述べ、初公演の成功を喜んでいました。