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決選投票前に火花散らす両候補=テレビ討論会=

 地元メディアによると、大統領決選投票に向けたテレビ公開討論が19日、レコルド局スタジオで収録されました。24日にはグローボ局でも公開討論が行われます。
 今回の公開討論は、大統領候補のアエシオ・ネべス氏(ブラジル社会民主党=PSDB)によるペトロブラス汚職疑惑への激しい非難でジルマ大統領(労働者党=PT)が体調を崩した16日の討論会と比べ、両者が相手を激しく攻撃はしなかったものの、汚職問題と経済問題を中心に激しいやりとりが行われました。
 今回は、両候補とも建設的な意見でアピールしようとする姿勢が目立ちました。前回討論会の後でPT内部では意見聴取が行われ、ネべス氏の過去について辛辣に攻撃したジルマ氏の攻撃的な論調に対して批判的な見方が強く、論調をトーンダウンさせました。高等選挙裁判所がライバル候補に対する攻撃的なキャンペーンを禁止する決定を下したことも影響したとみられます。

ペトロブラス汚職疑惑もテーマに

 テーマごとに3ブロックで構成された今回の討論会では、テーマの選択は両候補間で自由に行われ、ネべス氏はやはりペトロブラス汚職疑惑を第1ブロックの後半で議題に上げ、ジルマ氏が前日に同社で資金流用があった事実を認めたことについて触れました。当時PTの財務官だったジョアン・バッカーリ・ネット氏が汚職に関与していた事実を同社のパウロ・コスタ前社長と両替商のアルベルト・ユーセフ容疑者が証言したことについてネベス氏が、「あなたはバッカーリ氏を信頼していたのか?」と尋ねると、ジルマ氏は「コスタ容疑者は、ペトロブラス汚職の議会調査委員会を沈静化させるためPSDB前党首のセルジオ・ゲーラ氏も賄賂(わいろ)を受け取っていたことを証言している」と反撃しました。
  前日の自身の発言についてジルマ氏は「資金流用があったことが示唆されていることは認める」と述べたため、ネべス氏が「事実として認めると言ったのに もかかわらず、示唆されていると言い替えるのですか。やはり今回も調査の指示は出さなかったのですね」と皮肉を込めて返す場面もありました。
 経済政策が議題に上がるとジルマ氏は、PSDBが政権を取るとインフレ率抑制のために給与レベルの据え置きを行う可能性があると示唆し、ネべス氏を批判しました。