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エクアドル議会、大統領の弾劾手続きを決議

 ブラジルのメディアによると、エクアドル議会は9日、汚職の疑いでギジェルム・ラッソ大統領に対する弾劾手続きの開始を投票で決定しました。出席した116人の下院議員のうち88人が賛成票を投じ、23人が反対票、5人が棄権しました。議会は、左派のラファエル・コレア前大統領が主導する野党(市民革命)が50議席を占め、与党(機会創出党)は12議席に過ぎません。

 ラッソ大統領の容疑は、2018年から2020年にかけて国営エクアドル石油の経営で横領を行い、エクアドル企業に600万ドル以上の損失を与え、国益を損ねたというものです。同大統領は裁判に出席する意向を表明しています。

 ラッソ政権関係者は「今回の弾劾にも妥当性がない」と述べ、「大統領が横領を行ったことを証明することは不可能だ」と主張しています。また、議会監視委員会は、「動機となる報告書なしに政治裁判に提出することによって適正手続きに違反しようとすることは認められない」と指摘しています。

  同大統領の罷免が浮上したのは2回目です。初回は昨年6月、生活費の高騰をめぐる先住民の激しい抗議行動の中、国会議員グループが重大な社会的騒動を理由に弾劾動議を提出しました。しかし、このときは弾劾手続きは可決されませんでした。今回、ラッソ大統領が罷免されれば、90年間で2人目の解任された大統領になります。ただ、罷免には、137人の議員のうち3分の2の92人の賛成が必要で、罷免になるかどうかは予断を許しません。