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インフレに悩むアルゼンチン

 ブラジルのメディア12日付によると、アルゼンチンの年間インフレ率が71%に達し、30年ぶりの記録になりました。アルゼンチンの物価上昇ペースは、7月はベネズエラをも上回り7.4%という高い数字を示し、月間のインフレ率としては20年ぶりの高水準です。アメリカ大陸で最も高い月間インフレ率で、首都ブエノスアイレスには「今日買えば明日より安い」と書いた看板を出している店もみられます。

 アルゼンチンでは公共サービス料金の引き上げや、通貨切り下げの可能性が取り沙汰されており、インフレ率が100%を超える可能性も指摘されています。高進するインフレでアルゼンチンの人はドルへの依存度を高めています。貯蓄能力のある人は、ドルで貯蓄すると言われています。

 アルゼンチンでは、物価が7.4%も上昇しているのに、給与は3.5%と半分しか上昇していません。高インフレと不況が重なるという致命的な傾向を示し始めています。国内の上位30名のアナリストは、今後の年間インフレ率を90.2%と予想し、精度の高いアナリスト10人、いわゆるTOP10は94.7%と予想しています。

 アナリストが高インフレ率を予想するのは、電気・ガス・水道の値上げや、予想されるペソの切下げが考慮されていないからです。エコノミストは「2022年は年間92%で留まるかもしれないが、これには公共料金の値上げや為替レートが考慮されていない。下手をすると年間100%のインフレに達する可能性もある」と指摘しています。有名なコンサルタント会社は、112.4%と予測しています。