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マンモスを生き返らせるプロジェクト

 ブラジルのメディアによると、生物科学および遺伝学のアメリカの会社「Colossal」と遺伝学の権威であるジョージ・チャーチ氏が13日、1500万米ドル(約16億5,000万円)を投資してマンモスを生き返らせるプロジェクトを立ち上げると発表しました。

 目的は絶滅したマンモスの完全なコピーを作成することではなく、アジアゾウのゲノム(DNAの遺伝情報)の一部を使用してマンモスのDNA(生体の遺伝情報を保持している物質)を再現することです。

 マンモスは地球の最も寒い地域に生息する植物を食べていた哺乳類で、血を暖かく保つ2層の厚い毛皮に覆われていました。プロジェクトのメンバーは「絶滅した種をよみがえらせることは、科学の大きな進歩であり、気候変動と戦うヒントも得られるだろう」と話しています。

 研究者は「マンモスは現在コケで覆われているものよりも草地に似ているツンドラ植生で生きていた。ツンドラ植生を取り戻すことで、気候変動の進行と戦うのを助けることができる」と指摘しています。永久凍土層が解凍すると、閉じ込められていた約1.7兆トンの炭素(大気中の炭素の約2倍と予想されている)が大気中に出てくることになる。「これを防ぐためにもツンドラ植生を取り戻すことが重要」としています。