中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

ボルソナロ大統領はFGTS利益金の100%分配を拒否

 地元メディアによると、ジェイル・ボルソナロ大統領は12日、労働者にFGTS利益金を100%分配することを拒否しました。政府は7月、FGTSの利益金分配を発表していましたが、大統領は分配金100%を拒否したことになります。これにより労働者は、利益金の50%しか分配されません。

 FGTSとは役務提供期間の保証基金のことで、労働者を理不尽な解雇から守るために1966年に創設されました。 企業が労働者を雇用する場合、政府系の金融機関に従業員名義の口座を作る必要があります。基金は投資や利子などで収益があり、収益金は労働者に分配されます。大統領の100%拒否で、労働者は分配金の受け取り額が減少することになります。

 大統領は拒否の理由を、「FGTS収益金の100%分配は、口座に多額の預金と残高を持つ富裕層に有利に働くからだ」と述べています。

 一方、長期保証基金関係者は、「分配割合を変更すると、基金は収益金が多くなる」と指摘しています。2018年12月31日現在、基金残高は122億レアルでした。