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非正規品によるサンパウロ州の税収1700億円減

 地元メディアによれば、業界70団体が構成する「ブラジル合法市場防衛運動」のまとめで、市場に出回っている非正規品がサンパウロ州に与えた損害は2017年上半期(1~6月)だけで50億レアル(約1750億円)に上ることが判りました。密輸品であるたばこなどの非正規品からは税金が徴収できないのに、非正規品によって市場が荒らされ、本来徴収されるはずの税金が徴収できていないのが原因です。

 サンパウロ市内では、中心部だけでなく街の至る所で携帯電話用のUSBケーブルやイヤホン、時計、半ズボン、Tシャツ、メガネ、たばこ等の「非正規品」が販売されており、望めば誰でも簡単に購入することができます。これらが州の税収に大きな打撃を与えていて、なかでも密輸入のたばこの影響が大きいとしています。

 同運動は、サンパウロ州内ではパラグアイから密輸されている16ブランドのたばこが流通していると推定しており、ブラジル国内で流通している違法たばこの3分の1に相当します。この違法たばこでサンパウロ州政府は、今年上半期だけで16億レアル(約560億円)の税金を徴収し損なっています。関係者は「裕福な州の中で一番売れているたばこが違法製品であるとは、理解できない」と怒りを露わにしています。

 たばこ以外での損害額は、自動車部品5億レアル(約175億円)、電気電子製品4億レアル(約140億円)、衣料品2億5000万レアル(約87億5000万円)、飲料2億4000万レアル(約84億円)、電材1億7500万レアル(約61億2500万円)、メガネ1億2500万レアル(約43億7500万円)、高級ブランド品1億2000万レアル(約42億円)と推計されています。