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連邦大学が資金不足で四苦八苦

 地元メディアによると、連邦大学の中に資金不足と連邦政府による補助金削減の影響で、大学食堂のメニュー削減、運営資金不足、支払い遅延など追い込まれています。全国連邦高等教育機関管理者協会の調べによるものです。

 同協会は、「今年度の大学への補助金額では電気代や警備費、清掃費、低所得家庭の学生への奨学金、設備メンテナンスといった通常費用の支払いにも不足している」と指摘し、「補助金額が増額されなければ、大学を維持できるのは9月までだ」と述べています。

 パラー連邦大学(UFPA)の学長でもあるトウリーニョ同協会会長は、「連邦大学の予算をただちに再考するべきだ。連邦大学はブラジル社会にとって最も価値があり、その価値ある財産が危険にさらされている」と訴えています。

 教育省は先ごろ、連邦大学や連邦教育機関への予算額を5%引き上げると発表しました。これで教育機関の維持に使用される補助金の限度額が75%に増え、設備購入などに使用する資金も45%にアップしました。しかし同協会は、「5%程度のアップでは9月までの保証しかできない。2018年度の資金の見通しや補助金については、目前のことに追われ論議するどころではない」と、窮状は変わらないとしています。

 大学側の訴えについて教育省は、「年末までに補助金を増額していく。増額は今後数カ月間で徐々に行い、連邦大学は十分に維持出来る」としています。