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高まるブラジル人の訪日意欲

 7月に開催された第16回日本祭りに「Visit Japan」プロジェクトの一環として出展参加した日本の観光庁日本政府観光局は、同ブースを訪れた来場者を対象に訪日旅行に関するアンケートを実施、結果を日本政府観光局ニューヨーク事務所がこのほど発表しました。それによると、回答者のうち7割以上が3年以内の訪日計画を立てており、ブラジル人の訪日旅行希望の高さが分かりました。日本政府観光局は、今後の参考にしたいとしています。
 アンケートの有効回答数は1037で、41.3%の人が日本を訪れたことがあり、そのうちの49.1%が複数回の訪日経験を持っています。主な訪問先は、東京、京都、大阪、名古屋といった定番ルートの他、北海道から沖縄まで各地を訪問しています。これは在日ブラジル人の親族が各地の工場ではたらいているため、その親族や友人を訪ねたものと見られています。訪日目的は約20%が「伝統文化」への興味で、次いで「歴史」「食事」「自然」「ショッピング」となっています。特に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産への登録が検討されている日本食への関心が目立っています。
 回答者の72%が3年以内の訪日計画を立てており、3年以内に訪れる予定がない人は主な理由として約半数が旅行費用の高さを挙げています。「自然災害」を理由に挙げたのは2.8%にとどまり、東日本大震災の影響はさほどありませんでした。
 旅行先を決める際の情報入手先としては、4人に1人がインターネットを利用していました。旅行博覧会及び旅行誌、雑誌もそれぞれ19%もあり、同観光局ニューヨーク事務所の犬石知子次長は「日本祭りのブースで訪日旅行商品パンフレットを提供・販売できれば旅行者の獲得につながるのでは」と、日本祭りでの日本紹介に期待を示しています。
 観光局ニューヨーク事務所によると、訪日ブラジル人数は今年上半期、対前年同期比18.2%増と順調に伸びています。来年ブラジルではサッカー・ワールドカップが開催されるため外国旅行熱は鈍化するとみられているますが、旅行会社からは2013年出発の訪日商品は完売しているとの情報も寄せられています。リオに続く東京夏季五輪開催決定によって日本への興味の高まりが期待でき、同事務所では旅行会社との情報交換等を通じて観光客誘致に努めたいとしています。