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AM局からFM局への移行申請受付を1月から開始

 地元メディアによると、ジルマ大統領は7日、AMラジオ局からFMラジオ局への移行法案に署名しました。移行によってラジオの雑音や電波の干渉が軽減され、音質が向上すると期待されています。ジルマ大統領は「AMラジオ局はさらに多くのリスナーを獲得し、スポンサーにとって魅力的な媒体となる。また新たなアプリケーションにより、インターネットを通じて携帯電話やタブレット端末でも受信することが可能になる」と説明しました。
 この移行措置は強制的なものではありません。移行を希望するラジオ局は来年1月1日から通信省に申請します。FMへの移行に関連するすべての処理は4〜5カ月間を要する見通しで、作業終了後ブラジル政府が国家電気通信庁と協力してFMの周波帯割り当ての検討に入ります。
 サンパウロ市やカンピーナス市など大都市では、希望するすべてのラジオ局がFMに移行できない可能性もあります。各ラジオ局はその場合、テレビの完全デジタル化を待ち、現在テレビ局が使用しているアナログの5チャンネル及び6チャンネル帯が空いてからその周波帯を利用することになります。その周波帯が利用できるまでには約1年半かかるとされています。パウロ通信相は、AMからFMに移行するラジオ局の数を約1700局と見ています。
 FMラジオ局への移行には大きな問題があります。ブラジル国内で販売されている既存のラジオ機器は移行したラジオ局のFM電波を受信できないことです。この問題を解消するためブラジル政府は、現在販売されているモデルと同価格帯で新たな周波数に対応したラジオの生産を開始するよう産業界に要請しました。