ブラジル地理統計院が2010年度の国勢調査に基づいて6日に発表したデータで、ブラジル国民の内ファベーラ(貧民街)で暮らす人が1142万5644人に上ることが分かリました。7日付の地元紙が報じました。ファベーラをはじめ、掘っ立て小屋、分譲地、その他の規定外密集地に住む世帯数は合計322万4529世帯に上ります。こうした貧困地域に暮らす住民数は1991年には448万人(全体の3.1%)でしたが、2000年に653万人(同3.9%)へと増加し、現在もさら増え続けています。
ブラジルでは「ある特定数の世帯によって違法に占有され、程度の差はあるものの都市公共サービスが限定されている居住地域」を規定外密集地と呼び、こうした密集地は違法に占有され、都市計画から除外されているため必要な公共サービスを受けられません。ブラジル地理統計院地理調整課のマリア・ビラノバ・ネッタ技術員は、「今回の調査範囲はブラジル全土に及んだが、国内の323都市で規定外密集地が存在することが明らかになった」と説明しました。特にブラジル南東部や北東部に規定外密集地が集中しています。
ブラジル全体でごみ捨て場や汚染地域の埋め立て地の周辺にある家屋が1万1149軒で、高圧送電線の近くに建てられた家屋が2万7478軒、オイルやガスのパイプライン周辺の家屋が4198軒、斜面に建てられた家屋が1万8955軒もあることも明らかになっています。