中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

ブラジル最古のファベーラを強制撤去

 地元紙によると、リオ市内中心部にあるブラジルで最も古いとされるファベーラ(貧民街)のプロビデンシア丘が、同市の港湾再開発事業のため取り壊されることになりました。これにより、ファベーラ内に住む約800世帯が立ち退きを強いられることになります。現在、ファベーラの民家の壁に大きく「SMH」という文字が書かれた家屋があり、リオ市住宅局(Secretaria Municipal de Habitacao)の頭文字で、取り壊し予定の民家です。住民は、リオ市役所から事前の連絡がなかったことや、立ち退きの補償についての説明がなかったことに反発、「まるでヒトラーのやり方だ」とやり場のない怒りの声を上げています。
 同市住宅局のジョージ・ビタル局長は、市側が開催した説明会にまだ一部住民が参加していないことを踏まえた上で、「全住民に対してきちんと説明する」と言明しています。同局長によると、今月19日までに既に157世帯が退去しており、最終的に合計832世帯を強制退去させるとしています。立ち退き対象となる家庭には、新居を探すための費用や家賃として月額400レアルが支給され、政府が建設中のアパートに入居できるまで支払われます。
 ファベーラの跡地は観光用ロープウエー及びエレベーター、レジャー施設、道路拡張などに使用される予定です。