中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

ブラジル初ののう腫手術成功

 地元紙によると、サンパウロ市内の病院で、患者の臍(へそ)部から腹腔鏡(ふっくうきょう)により卵巣のう腫を取り出す手術に成功しました。この手法による巨大のう腫の除去手術はブラジルでは初めてです。取り出されたのう腫は、7キロのスイカ2個分に相当する16リットルの分泌液などで満たされていましたが、へその部分に入れたわずか1.2センチの切り込みから、腹腔鏡で観察しながら取り出しました。
 手術は、へその切り込みの両脇にもう2カ所、腹腔鏡やピンセットなどを通すための5ミリほどの切り込みを入れ、中央からのう腫の内容物を吸い取って排出し、最後にのう腫の皮膜など残存物を取り出す方法でした。通常は帝王切開に似た15センチ程度の切り込みを縦もしくは横方向に入れて行われます。今回の手術では術後の回復を早め、手術のリスクを最小限にするためこの手法が選ばれました。
 腹腔鏡手術は医師の技術次第で多臓器破損や出血を起こすことがあり、成功は医師の腕によるところが非常に大きいといわれます。施術したクリニカス病院の婦人科医は、来月に米ワシントンで開かれる学会で今回の成功例を発表する準備を進めています。