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ブラジルの総人口が2億人を突破

 地元メディアによると、ブラジル地理統計院(IBGE)が29日に発表した調査で、ブラジルの総人口が初めて2億人を突破したことが判りました。ブラジルの人口は過去40年間で2倍に増えたことになります。これで人口の多さで世界5位になりましたが、2042年をピークにその後は減少に転ずるとしています。また2060年には高齢者が全人口の4分の1を占めるこという見解も発表されました。
 ブラジル地理統計院のデータによるとブラジルの国内人口は2012年12月2日に2億人の大台に達しました。ピークとなる42年の推定人口は2億2840万人と推定され、60年には2億1880万人にまで減少すると予想しています。人口の伸び率は1970年代以降は緩やかな上昇ペースで、緩やかな原因は女性1人当たりが生涯で出産する子供の数を示す「合計特殊出生率」の低下が指摘されています。
 応用経済調査院(Ipea)の人口学者アナ・カマラノ氏は「女性の役割が変わり、労働市場への進出が目立つようになった。また約20年前までは女性が母親になるということに対して社会が大きな価値を置いていたが、現在はそうではなくなった」と説明しています。こうした事情からブラジルの人口の減少がブラジル地理統計院の予想よりも早い時期に始まる可能性も指摘されています。
 アナ氏は、「ブラジルが近い将来に人口の減少による経済の弱体化がもたらすさまざまな問題に直面することになる」と警告しています。「人口の減少は国力の衰退に直結する。働いて税金を払うことで退職者の年金が創出されているが、それらの年齢層の人口が減るからだ」とその理由を説明しています。