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有料チャンネル市場 経済成長鈍化で拡大減速

 地元での報道によると、国家電気通信庁(Anatel)のジョアン・レゼンデ長官が27日、ブラジル国内の有料テレビチャンネル市場の今年の成長は昨年比10〜12%増にとどまるとの見通しを示しました。この日開かれた電気通信分野のイベントで長官は「経済成長が鈍化しており、家庭の収入はこれまでと同じ速度では拡大しない」と、同国経済の低成長に合わせて有料テレビチャンネル市場も伸びが鈍化するとの見通しを述べたもので、同市場はここ数年、30%程度拡大していました。
 国家電気通信庁の見込みはブラジル有料テレビ事業者協会(ABTA)の予想(昨年比14%増)を下回っていますが、現時点での契約者数の伸びは電気通信庁の見込みにも届いていません。昨年末時点で1618万8000人だった有料チャンネルの契約者数は、今年7月時点で1696万人に達しましたが、増加率はわずか4.7%でした。
 レゼンデ長官は、同市場の拡大ペースの鈍化には価格面の問題も関係していると指摘します。「世帯収入は(有料チャンネルの)パッケージ料金を払う余力がなくなりつつある。このことがブラジルの特定の地域での拡大に歯止めがかかっている」と述べ、もっと低価格なパッケージプランの提供を考える必要がある、としています。