地元での報道によると、ブラジル全土で起きた公共サービスの改善を求める抗議デモを受けて上院議会は２日、ブラジル政府の原油収入の75％を教育分野に、25％を医療分野に配分する法案を採決しました。ジルマ大統領が今年５月に提出した原案は、原油収入の100％を教育分野に配分するものでしたが、下院議会が25％分を医療分野にも配分する修正案を採決、上院へ送っていました。
アロイジオ・メルカダンテ文部相とイデリ・サルバッティ省庁調整局長は２日、原油収入の100％を教育分野に充てる形に戻すよう上院議会に圧力を掛けたとされていますが、上院議会は配分の割合に変更を加えずに同法案を議決しました。
ジルマ大統領はこの修正に拒否権を行使しない方針ながら、６月21日の国民向けテレビ演説では都市交通、医療サービス、教育という三本柱の全国プランを発表、原油収入の100％を教育分野に配分すると明言しています。このテレビ演説と実際の法案との整合性をどう取るのか、大統領としても頭の痛いことになりそうです。
