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ブラジル出身の歌手マルシアが日本祭に出演

 サンパウロ新聞によると、日本で活躍する日系3世の歌手マルシア(本名=西家一枝マルシアさん)が在伯都道府県人会連合会(県連)主催の第16回フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭り、7月21、22両日開催)に出演することになりました。マルシアはかねてから「日系社会、日本とブラジルの交流のために何かしたい」と願っていたといわれ、今年は自身のデビュー25周年の記念年でもあり、県連の要請にマルシア側が応じたものです。
 マルシアは1969年、サンパウロ州モジ・ダス・クルーゼス市に生まれ。小さい時はポルトガル語しか話さず、「自分はブラジル人だという意識が強く、日系社会とはほとんどかかわらず生活していた」。マルシアが日本文化との関係を持つようになったのは、静岡県出身で1世の祖父、西家佐登里氏の存在。祖父の誘いで青年会のカラオケ大会に出場したマルシアは、あみんの「待つわ」を熱唱して見事優勝。これをきっかけに日本のカラオケに魅了され、さまざまなカラオケ大会に出場しました。17歳の時には日本の歌謡テレビ番組出場の機会を得て初訪日。その際に作曲家・猪俣公章氏(故人)の目に留まり、89年には「ふりむけばヨコハマ」でCDデビューをするまでになりました。デビュー後、時代劇鑑賞などで必死に日本語を覚えたというマルシアは、デビューから25年目となった今、歌手だけでなく女優やタレントとしてマルチな才能を発揮しています。
 マルシアは「私は日系3世だが、100年前から移民としてブラジルに渡った私たちの先祖が作り上げてくれたものがあったからこそ、こうして平和に生きていられる」と先人たちへの思いを秘め、日本祭りの舞台に立ちます。