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サンパウロ市内での軍警察の権限を拡大

 地元メディアによると、サンパウロ市とサンパウロ州は18日、都市騒音防止条例の徹底化を図るため軍警察と協定することを発表しました。騒音防止条例は夜間の騒音を低減させることを目的に制定されたものです。騒音に関する苦情は軍警察に通報されることも多く、騒音の規制が行政の領域なのか、警察の領域なのかで論争が起きていました。今回の協定締結により、この論争ににピリオドが打たれることになります。
 騒音の苦情で最大の焦点となっているのは、路上で行われるダンス・パーティー「バイレ・ファンキ(Baile funk)」。このパーティでは大型スピーカーを内臓した自動車から大音量の音楽をかけ、集まった若者たちは酒を飲んだり麻薬を使用しながら夜通し踊り続けます。主に低所得層が多く住む地域の路上で行われることが多く、今回の軍警察との協定はこの規制を強化する狙いがあります。
 サンパウロ市では既に、軍警察による治安維持活動「オペラソン・デレガーダ」が行われており、今回の協定はこれを拡大したものです。今後、合計1300人の軍警察官が夜勤に回されることになり、騒音だけでなくバラーダ(ナイトクラブ)など商業施設の取り締まりも消防隊と共に行います。