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殺人未遂で女性医師を逮捕

 地元での報道によると、パラナ州クリチバ市のエバンジェリコ病院の集中治療室で昨年12月、入院患者の人工呼吸器の電源を切るよう指示を出した女性医師が殺人未遂容疑で19日、市民警察に逮捕されていたことが分かりました。「私を病院から出してほしい。装置の電源を切られて殺されそうになった」と書かれているメモを根拠に逮捕に踏み切ったと見られています。メディアはこのメモの写真を大々的に報道しています。このメモは、入院していた女性患者が娘に手渡したものとされています。
 女性患者は、逮捕された集中治療室室長のビルジニア・ソウザ容疑者(56)が事件当日の午前8時に人工呼吸器の電源を切るよう部下に指示を出し、「午後4時まで命が持つかどうか見てみたい」と話していたと証言しています。現場に居合わせた看護師がビルジニア容疑者の命令に従わず呼吸器を装着したままだったため、患者は命を取り留めました。ビルジニア容疑者は犯行容疑を否認しています。
 市民警察は、約2億6000万レアルの借金を抱えて財政難に陥っている同病院が他の患者に病床を提供するため、意図的に殺人を行って空きを作っていた可能性があるとして検証を続けたとされていますが、クリチバ市役所の捜査班はこのことを否定しています。
 警察は、集中治療室で死亡した別の患者7人についても詳しく調査を進めていく方針ですが、病院側は警察の捜査を拒否しているもようです。