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デング熱流行で警告

 地元紙の報道によると、厚生省が公表した今年の熱帯縞蚊繁殖指数で、国内77都市がデング熱ウイルス流行の「危険」な状況にあることが分かりました。サンパウロ市を含む787都市は「安全」で、リオ市を含む375都市が「警戒」の必要があるとしています。
 同調査は、蚊が集中的に繁殖している場所を特定するために行われているもので、全国の1239都市で10〜11月に実施されたものです。800都市を対象に行われた昨年の調査では48都市が「危険」、338都市が「警戒」、414都市が「安全」でした。
 デング熱ウイルスなどの感染症を媒介する熱帯縞蚊はヤブカ属に属し、国内で猛威を振るってきました。デング熱ウイルス感染による死亡率が78%と最も高かった2010年と比べ11年は62%に減少したとはいえ、熱帯縞蚊繁殖地域は年々拡大傾向にあります。
 今年の調査で「危険」と判断された77都市のうち58都市は、今回初めて調査対象に加わった都市でした。危険都市とされた大半は東北ブラジルの都市で、地域住民570万人がデング熱ウイルス感染と隣り合わせの状態になっています。厚生省は、来年初めには東北ブラジルで降雨量が増加することから、熱帯縞蚊の繁殖も活性化すると見ており、住民に注意を呼びかけています。